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<2025年11月1日発行 「くたかけ」186号・秋冬号> TMG(戸田中央メディカルケアグループ)が発行している広報誌「くたかけ」。 TMGの経営方針、行事、各施設の動向、職員に関連するニュースなどを伝える媒体です。


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――Makoの特長をお教えください。私自身、前職場で2022年~2025年5月までの3年間、Makoを使用した手術を約500症例行ってきました。Makoに携わって思うのは“正確性・精度”の高さです。これは疑いようもありません。手順としては、まず術前にCT画像をもとに関節の状態を三次元データ(3D)で再現し、患者さま一人ひとりに合わせた治療計画を立てます。術中はロボティックアームが医師の手術操作をリアルタイムでサポート。これによりインプラントの設置精度が格段に向上し、骨・関節の配列も最適化されます。また、計画外の動作を検知すると、ロボットが自動的に動きを停止するため、血管や神経へのダメージを最小限に抑えることができます。患者さまの負担軽減が期待できるのが特長です。――CTナビゲーションとロボット支援手術Makoの違いをお教えください。CTナビゲーションは、3D画像をリアルタイムで表示し手術器具の正確な位置を追跡する機能を備えています。対してMakoは、精密な動作を可能にし、手術の精度を高めるだけでなく、医師の疲労を軽減する役割も果たします。具体的には手術時のロボティックアームによる補助です。これにより術前計画通り動的に掘削、設置を行うことが可能となり、軟部組織バランスや骨の整形外科手術におけるナビゲーション、ロボットなどのコンピューター支援技術(CAOS:computerassistedorthopaedicsurgery)は手術の正確性に加えて執刀医のヒューマンエラーを減らし、臨床成績が向上されるとして現在全盛を極めています。なかでも注目されているのがロボティックアーム手術支援システム「Mako(メイコー)」日本ストライカー社)です。戸塚共立いずみ野病院は今年6月、同システムを導入した「人工関節センター」を新設。変形性股関節症・変形性膝関節症に対する人工関節置換術を行っています。今回はセンター長である柁原俊久先生にMakoシステムについて、そして今後のビジョンについて伺いました。●特別企画一人ひとりに合わせた人工股関節置換術(THA)・人工膝関節置換術(TKA)が可能にロボティックアーム手術支援システム「Mako(メイコー)」SPECIAL戸塚共立いずみ野病院人工関節センターセンター長柁原俊久かじわらとしひさ●専門:股関節外科、膝関節外科、外傷外科●資格:日本整形外科学会専門医、日本人工関節学会認定医●役職:昭和医科大学藤が丘病院整形外科兼任講師、日本股関節学会評議員、日本人工関節学会評議員、日仏整形外科学会幹事、外科系学会社会保険委員会連合委員ロボット支援手術Makoは人工関節領域におけるひとつの完成形撮影:松村健人08


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