kutakake186

<2025年11月1日発行 「くたかけ」186号・秋冬号> TMG(戸田中央メディカルケアグループ)が発行している広報誌「くたかけ」。 TMGの経営方針、行事、各施設の動向、職員に関連するニュースなどを伝える媒体です。


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昭和医科大学名誉教授、戸塚共立第1病院名誉顧問/戸塚共立あさひクリニック内科腎・リウマチ内科医療や臨床に関する時事的トピックスをグローバルな視点で総合的に解説する本企画。第3回目も昭和医科大学名誉教授で戸塚共立第1病院の杉崎徹三名誉顧問にご寄稿いただきました。コロナとコロナワクチンの現況“”新型コロナウイルス感染症は歴史上、天然痘、結核、ペスト、インフルエンザと並ぶ世界的パンデミックとなりました。コロナが始まったのは2019年12月8日(於中国武漢)日本では2020年1月15日でした。既に5年以上にわたって流行しているウイルスは次々と変異を繰り返し、人のみならずペットなどにも感染しています。当時は当ウイルス感染症に有効な治療薬は開発されていませんでした。その当時、遺伝子からウイルスたんぱくを作る研究をしていたカタリン・カリコ博士らがコロナウイルスが細胞内(特に血管の内皮細胞に存在)に侵入するのに必要なスパイク蛋白の遺伝子配列を持ったRNA(メッセンジャーRNAと言います)を作成し、それを油膜で包んで注射することにとり、体内でスパイク蛋白を産生させ、それに対する抗体が産生されることにより、当疾患の感染予防に成功しました。カリコ博士はその功績により2023年ノーベル生理・医学賞を受賞しました。その功績もあって新型コロナウイルス感染症は下火になったと考えられます。しかし、最近当感染症に罹患したり、ワクチンを受けた人々に後遺症が出現することが報告されるようになりました。これらをそれぞれ急性コロナ感染“後”症候群、ワクチン接種“後”症候群と称し血管炎や自己免疫疾患といった全く同じ病気が発症することが分かりました。これらの発症機序はウイルスのスパイクやワクチンによって産生されたスパイクが血管を介して血管炎を起こしたり(写真参照)、ウイルス感染やワクチンのスパイクを介して、体の免疫系を変化させ、自己免疫疾患(含む神経、血液、関節、内分泌疾患)を起こすことが分かってきました。今後、患者さまを診療するにあたって、コロナ罹患歴やワクチン接種歴を問診すること、又これらの後遺症が発症している可能性がある場合、これらに適切に対応処置を講じること。また非常に稀ではありますがmRNAワクチンによる副作用による犠牲者の報告もあります。今後mRNAワクチンの更なる研究を進める必要があります。杉崎徹三昭和医科大学名誉教授米国ニューヨーク州立大学医学部微生物学教室元准教授米国MassachusettsGeneralHospitaleast元客員研究員戸塚共立第1病院名誉顧問戸塚共立あさひクリニック腎・リウマチ内科杉崎徹三TetsuzoSugisaki参考文献ScholkmannFetalCOVID-19,post-acuteCOVI-19Syndrome(PACS,“longCOVID”)andpost-COVIDvac-syndrome”):Similaritiesanddifferences)PatholResPract2023;246:15449776歳パーキンソン病コロナワクチン接種3週間後死亡14


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