kutakake186

<2025年11月1日発行 「くたかけ」186号・秋冬号> TMG(戸田中央メディカルケアグループ)が発行している広報誌「くたかけ」。 TMGの経営方針、行事、各施設の動向、職員に関連するニュースなどを伝える媒体です。


>> P.17

株式会社TLC血液検査科二級臨床検査士(血液学)/認定血液検査技師堀口小春メディカルケアプロフェッショナルTMGで働く職員の中から、毎号ひとりにスポットを当てる企画。いまの仕事に巡り合うまでやご自身のキャリアについて掘り下げます。今回は株式会社TLCで臨床検査技師として活躍する堀口小春さんにこれまでの歩みと仕事にかける想いをお聞きしました。豊富な知識・経験が求められる臨床検査技師私は元々細かい作業を集中して行うことが好きで、それを活かせる職業でなおかつ社会に貢献できる仕事に就きたいと漠然と考えていました。高校生の時、進路を決める際に臨床検査技師という仕事を知りました。臨床検査技師は顕微鏡下で行う細胞形態学検査を通して病気の早期発見や適切な治療に貢献できる仕事であり、自分の得意な部分を活かせると思い目指しました。入職のきっかけは、実習先が今の職場であるTLCと戸田中央総合病院だったこと。実習に行くまでは入職後のイメージが湧いていませんでしたが、患者さまの体のわずかな異常を検査データから読みとくなど、検体検査の面白さを肌で感じたことで志望が明確になりました。また、実習担当の方々の熱心な指導とその人柄や、グループメリットを活かして多くの検体を扱うため様々な疾患について学び経験を積める環境であることも魅力に感じ、入職を決めました。実際に働いてみると、検査で異常細胞を判断するには形態学だけでなく臨床所見、病理検査、遺伝子などさまざまな結果をもとに総合的に評価する必要があることがわかりました。それには豊富な知識・経験が求められます。患者さまの検体から多くの経験を積み、資格取得や勉強会の参加など日々勉強が必要であると実感しています。一日1,000件検体と向き合う日々検査センターであるTLCは直接患者さまと接することはほとんどなく、患者さまの検体と向き合うことが仕事です。私の所属する血液検査科では多い時で一日1,000件程の検査を行っています。その検体だけでどれだけ多くの情報を患者さまにお返しできるかを意識しています。臨床検査技師は誰よりも早く患者さまのデータを知り、体の異常を見つけることができる仕事です。それと同時にミスひとつで病気の発見を見落とすことにもつながりかねません。そのため日々緊張感や責任感を持ち検査に取り組んでいます。その中でも、患者データから、わずかな異常に気づいたことで追加検査や早期診断につながったときはやりがいを感じる瞬間です。ある時の血液像検査で、標本上に数少ない異常細胞を見つけ血液疾患を疑う旨を報告したことで、後日追加の骨髄像検査につながったことがありました。このことは大きな責任と誇りを持てる瞬間であるとともに、私たち臨床検査技師の果たす役割は重大であると感じました。昨年は一年間育児休暇を取得し、現在は周りの方々の協力もあり時短で勤務しています。入職してからことしで10年目、入職当初は自分自身のことで精一杯でしたが、今は先頭に立って科をまとめる立場になりました。限られた時間の中で自分に何ができるかを考え、検査業務を行う中で後輩とともにスキルアップし血液検査科の質を高めていくことが今後の課題です。仕事の効率化の為に業務マニュアルの見直しなどに取り組み、後輩のさらなる教育体制の充実にも力を入れ、患者さまにより正確な結果報告ができるようにしていきたいです。また自分自身の知識の幅を広げるために認定骨髄検査技師の資格取得も目指していきたいと思っています。03#KoharuHoriguchiCOLUMNMEDICALCAREMEDICALCARE臨床検査技師臨床検査技師は誰よりも早く患者さまの体の異常を見つけ、見落とせない仕事15


<< | < | > | >>