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TMGTMGNURSINGGUIDENURSINGGUIDEナーシングガイドOneDaySchedule~クリティカルケア認定看護師編8:3010:3011:3012:3013:3014:3016:0017:00戸田中央総合病院/クリティカルケア認定看護師重症患者ラウンド病棟ラウンド記録、研修・勉強会資料作成、特定行為依頼対応呼吸ケアチームラウンド昼食病棟ラウンド委員会参加記録、相談対応業務終了クリティカルケア認定看護師を取得したきっかけは?――入職1年後にICUに異動となり、さまざまな重症の患者さまが入院している中で“日常生活の援助”が少ないと感じました。看護師には患者さまの生活を支援する役割もあるはず。ICUでできることとは何かと考えたとき、クリティカルケア認定看護師の資格を知り、“患者さまを生活者として見る”人として考える”という観点を学ぶために目指しました。資格取得には実務経験が5年必要でしたので5年経ったらすぐにカリキュラムを受けられるようにしました。主任が基準でしたので主任を取るためには何をするべきか逆算し、管理的・実践的な能力を高めるよう計画的に進めました。クリティカルケア認定看護師としての仕事内容は?――急変の可能性がある患者さまをカルテから情報収集しピックアップして、ICUを中心に病棟の垣根を超え病院全体をラウンドします。また、最近は疼痛管理チームを立ち上げて参加したり、重症患者メディエーターというICUやユニットケアの重症の患者さまの意思決定をフォローする立場で患者さまやご家族と関わったりしています。また、勉強会や研修も行い、日々のラウンド含めて病院内の多くの看護師と関わっています。心に残ったエピソードを教えてください――1日200~300㎖しか水分を取れない状態の患者さまからある時、「朝熱いお茶を飲みたい」との要望があり、毎朝20㎖のお茶を淹れて差し上げました。患者さまが亡くなった時に奥さまから「あのお茶は主人の生きる希望でした。朝起きて今日も目覚めた、お茶が飲めたと感じることで、ここまで生きてきた実感を持てていたのだと思います」と感謝の言葉をいただきました。1杯20㎖のお茶にどれだけの意味があったのかはわかりません。ただ、制限が多い集中治療や急性期の病院で、患者さまが望むことに対して自分に何ができるか考えることはとても大切な看護だと思います。特定看護師※でもあるとお聞きしました――現在は、直接動脈穿刺法による採血、橈骨動脈ラインの確保、中心静脈カテーテルの抜去の特定行為研修を修了し、今研修中なのは末梢留置型中心静脈注射用カテーテルの挿入です。特定行為も集中ケアとつながっており、血液ガス分析や動脈ライン押入は、血圧管理にも関わります。特に動脈ラインはICUではほとんどの患者さまが挿入し測定していますので、特定行為の実施により医師の指示なくタイムリーな看護を提供できます。資格取得は、自分に足りない資格を取得するより“この病院に何が必要か”が大切です。今この急性期の病院で何が必要か?患者さまにタイムリーにケアや処置ができるのかを考えることが重要です。今後の展望を教えてください――後進の育成です。特定行為は診療の補助ができるという自分のスキルになりますし、認定看護師は実践・指導・相談という役割があり看護師としての幅が広がります。特定行為や認定看護師に限らず、患者さまに寄り添う看護のためにいろいろな研修を受けて欲しいです。特に院外の研修は自分たちを客観的に見ることができるので、私は推奨しています。集中治療で同じように患者さまに関わっていけるような人材を育てていきたいです。根本雅子MasakoNemotoTMGで働くプロフェッショナルなナースをご紹介。今回は戸田中央総合病院でクリティカルケア認定看護師として活躍する根本雅子さんに、仕事内容について話を伺いました。生命の危機状態にある患者の病態変化を予測した重篤化の予防、廃用症候群などの二次的合併症の予防および回復のための早期リハビリテーションの実施を行う看護師クリティカルケア認定看護師患者さまが望むことに対して何ができるか――、を考え徹底的に寄り添う※特定看護師とは厚生労働省が定める特定行為研修を修了した看護師で、21区分38種類の診療補助行為を医師があらかじめ定めた手順書に基づいて実施可能17