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<2025年11月1日発行 「くたかけ」186号・秋冬号> TMG(戸田中央メディカルケアグループ)が発行している広報誌「くたかけ」。 TMGの経営方針、行事、各施設の動向、職員に関連するニュースなどを伝える媒体です。


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先生、ちょっといいですか専門医が教えるTMG健康相談室?放置すると危険な「睡眠時無呼吸症候群」早めの受診で合併症を予防!TMGの専門医が身近な症例について解説する新コーナー。「寝ているときのいびきがひどい」と家族から指摘がある、寝ても疲れがとれない、日中居眠りをしてしまう……その症状、「睡眠時無呼吸症候群」かもしれません。放置すると生活習慣病の合併リスクが増大し脳梗塞や心筋梗塞の発症リスクが高まることも。そんな疾患について、新座志木中央総合病院で「睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来」を担当する榎本睦先生に伺いました。睡眠中に何回も呼吸が止まってしまい、それが繰り返されることで深い眠りにつくことができない病気です。症状は、いびきや呼吸停止が特徴的ですが、起床時の頭痛や熟睡感の低下、日中の倦怠感や疲れ、集中力の低下、日中の強い眠気など、生活に支障が出てきます。なかには睡眠中に苦しくなって起きたり、悪夢をみたりすることも。トイレの回数が多いのも症状のひとつです。一般的には睡眠時に気道が塞がる・狭くなることで発症します。主な原因は肥満です。加えて加齢などで舌の動きや気道の開閉に関わる筋肉が衰えると、舌が喉の下に落ち込みます。また、甲状腺疾患のある方、アレルギー性鼻炎や鼻の骨が曲がっている方などは口呼吸になりやすく、スムーズな呼吸を妨げる要因です。中等症〜重症の方はCPAP治療(空気を気道に送り込むもの)が最も効果的な治療法です。簡易検査でAHI値40以上、精密検査で20以上の方が保険適用となります。呼吸の状況は遠隔モニタリングでチェックします。また、軽症〜中等症の方であっても食事療法や運動療法、マウスピース装着(歯科医と連携)など、生活スタイルに応じた改善策をご提案します。患者さまのなかには、CPAP治療は一度やったら止められないのでは?」と受診控えしてしまう方も少なくありません。あくまで治療はご本人さまが納得して臨んでいただくことが大事です。ただ、治療の先の予後は確実に変わります。放置すれば将来的な生存率や病気の発生率に影響し、多数の交通事故の調査でも睡眠障害が関連していることが明らかになっています。気になる症状がありましたら、まずは受診してみてください。まず、無呼吸低呼吸指数(AHI値:Apnea-HypopneaIndex)を調査します。1時間当たりの無呼吸・低呼吸の総数を調べます。AHI値は5〜15未満が軽症、15〜30未満が中等症、30以上が重症と分類されます。当院の検査は2つです。夜間に自宅で行う簡易検査(スクリーニング検査)と1泊入院の精密検査(PSG検査:終夜睡眠ポリグラフ検査)です。また、鼻や喉の病気が疑われた場合や関連する循環器病の状態を調べることも可能です。ご本人の生活スタイルを考慮しながら生活指導も合わせた診療を行います。低酸素状態と睡眠障害が続くことで心血管がダメージを負い、循環器系に影響を及ぼします。放置しておくと高血圧や糖尿病の悪化、心筋梗塞や脳卒中の誘因など生活習慣病の合併リスクが高まります。厚生労働省によると、睡眠1時間あたりの無呼吸回数が20回以上の場合、8年後の生存率は63%と報告されています。専門:不整脈診療、心臓リハビリテーション、循環器医療機器の遠隔モニタリング診療、睡眠時無呼吸症候群のCPAP治療新座志木中央総合病院循環器専門医・総合内科専門医榎本睦えのもと・むつみ「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」とは?これらの症状は“SAS”の疑いがあります大きないびきをかく日中にいつも眠い居眠り運転を頻繁に起こしそうになる高血圧がなかなか治らない夜間に呼吸が停止する夜中に何度も目が覚めたり悪い夢をみたりする起床時に頭痛やだるさがある□□□□□□□合併リスクは?検査方法は?正常な状態無呼吸の状態無呼吸・低呼吸となる要因は?治療は?CPAP治療住所:埼玉県新座市東北1-7-2℡:048-474-7211「睡眠時無呼吸症候群(SAS)外来」木曜午前https://x.gd/QifzxHOSPITALDATA新座志木中央総合病院Q.1Q.2Q.4Q.3Q.5A.A.A.A.A.✓37


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